ちらかし読みむし

心理療法、社会学、福祉などの領域の読書録、本の紹介など、その他書きたいことを書いています。

菅首相誕生に際して

菅さんが、首相になるのだとか。

 

政治の世界は複雑で、全体を見通することなど困難なのは承知ですが、だからといって知らぬふりをしているのは、もったいない。

 

そのように感じるようになったのは、①ひとつには、わたしが福祉の業界で務めており、今の政治の在り方が、今目の前にしているクライエントさんたちの生活に結果として大きく作用するということ、②もうひとつには、今の政治の在り方が、わたしたち福祉職の生活(待遇や制度の在り方など)にも結果として作用するのだということに、ようやく理解の結びつきが得られてきたから、というところです。

 

どうせだれが首相になったところで何も変わるまいというある種のあきらめは、継続的に政治に関心を持ち続ける上で妨害的に作用します。また、今回のように、願っていた方向に政治の世界が進んでいかないことが、明らかになってしまうと、失望や無力感、さらには先行きに対する困惑といった感情も生まれてきます。こんなことになるなら、初めから政治の世界になんか関心をもつべきでなかった、という気すらしてきます。

 

「政治の世界」と(クライエントさんや私たちの)「生活」との結びつきといったところで、しかしこの二つの間に横たわる懸隔の大きさはかなりのものですから、そういう意味でも、政治の世界に対してわたしの取り得る役割というものは微々たるものだということは明らかで、そのこともわたしを無力に感じさせます。

 

しかし、そうではあっても政治の世界に関心を持ち、少しずつでも学んでいこう、そして応援すべき人(政治家)を応援しようというのがなぜかと言うと、私の場合、それは私たちのくらす社会の先行きに対する恐れによっています。本当にこのままいって、大丈夫なのだろうか。そのような恐れが、無力感を上回っている。

 

おそらくわたしは死ぬまでこの国にいるのだろうから、ゆっくり少しずつではあっても、政治について関心を持ち続け、学んでいきたい。そういう気持ちにさせられています。本当に、知らないことが多すぎる、と。