ちらかし読みむし

心理療法、社会学、福祉などの領域の読書録、本の紹介など、その他書きたいことを書いています。

令和3年11月3日 東大寺の宝物

今日は、友人に誘われて、美術館へ。
展示は、「正倉院宝物」。要は、奈良の東大寺(大仏で有名な)の倉に納められた様々な品々であるらしい。たとえば、鏡、琵琶、織物などなど。「宝物」と言われるだけあって、素人目にも、ひとつひとつが、非常に凝った作りなのだということくらいは、わかる。例えば、とある琴に描かれたレリーフが非常に面白くて、ただのしましまの模様かと思いきや、目を凝らせばひとつひとつが植物の姿。そして神話上の生物なのか、獅子のようなものが描かれていたりしていて、その生き物は明らかに日本産ではない。

 

品々は来歴が、遠くインドやアッシリア、中国など、大陸の香りを伝えるもので、日本の文化の中に、非常に多様な異国文化が流入されていたこと、そして遠くから運ばれたそれらのものは、さぞ貴重なものであったことなど、想像されます。特にインド由来のものなど、お釈迦さんの生まれの地ですから、人々は、そのようなものを見て、はるか西方の地にあこがれを抱いたかもしれません。

 

それから、東大寺と言えば、華厳宗明恵も一応は華厳宗の僧でしたが、東大寺にはこのような絢爛豪華な宝物が納められていたことを知ると、人々の崇敬にかかわらずこのような寺ではなく、山中にこもっていたことの意味も、少しは理解できるような気がします。

 

まったくの無知で、ただ友人に誘われるままに、訪れただけだったのですが、これはなかなか面白いものを見られた、という感じがしています。おそらく単独では、興味も持たず、わざわざ訪れることもなかったでしょう。友人というのはありがたいもので、自分一人の行動パターンの範疇から引きずり出し、新しい世界へと手を引いてくれるもののようです。